答え
昨年の12月に新築したときは、気候も寒く室内を包み込んでいるビニールクロスや新建材からの揮発性有機化合物(VOC(volatile organic compounds))の発生も少なかったのが、初めての夏を迎えると部屋の配置にもよりますが、南や西側の部屋で日当たりの良い部屋では、揮発性有機化合物が今までより多く発生し、敏感な方には耐えられないような状態になることもあります。

ビニールクロスのような調湿機能のない素材で包み込まれていることは、結露が発生しやすく、カビやダニの発生と連鎖し、住む人の健康によい影響を与えません。
また、ビニールクロスは、塩化ビニールが原料です。
同時に添加剤として、可塑剤、防カビ剤、安定剤、発泡剤などが含まれています。
特にビニールクロスの原料の20%〜60%を占める可塑剤には、発ガン性をもつフタル酸ジエチルヘキシルやフタル酸ジブチルなどが使用され、さらには、これらの可塑剤は、環境ホルモンといわれる、体の成長、生殖や行動に関するホルモンの作用を阻害する性質を持っている化学物質といわれています。

私たちの家づくりでは、ビニールクロスやCFシートなどの塩ビ建材を使用してませんが、日本では、こんなに問題があり、張り替え時や解体時の時に廃棄しても土に帰らず、燃やせばダイオキシンの発生する建築素材を野放しで使用させているのでしょうか不思議でたまりません。
アスベストと同じように、問題が大きくなるまで、国やあの悪名高い『国土交通省』と『厚生労働省』のやっていることですから、放置しておくのでしょう。
前置きが長くなりまして申しわけございません。

さて、石膏ボード下地のビニールクロスを剥がして、漆喰・タナクリームでリフォームとのことですが、ビニールクロスは表面のクロス部分と裏紙部分との二重構造になっています。
一般的に、ビニールクロスを剥がすと言うことは、表のビニールクロス部分だけが剥がれて、石膏ボードとビニールクロスを貼り付けていたクロス用接着剤の付いた部分の裏紙が残ります。
この剥がした裏紙部分は毛羽立っており、非常に水分を吸い込みやすいので、漆喰のような水分を含んだ塗り物を吸水の激しい下地にいきなり塗ると、塗材の水分を急激に下地に吸われて、充分に接着しなくなり、剥離や浮きの発生になります。
また、石膏ボードに直接、石灰系(アルカリ性)のものを塗ると、ボードの表紙(酸性紙)が劣化して、やはり、長期的に見ると、剥離や浮きの原因になります。
このため、方法としては、ビニールクロスの裏紙まで完全に剥がし、凹凸やジョイント部、あるいは、裏紙を剥がす作業時に石膏ボード表面を削り取ってしまった部分に、入念なパテ処理を行い、そしてシーラー処理を行う。
シーラー処理は、シーラー剤で石膏ボードや塗布面の下地表面に塗膜を造り、吸水の調整と接着力の強化、酸・アルカリ反応の緩衝させるものです。
私どもで扱っている自然素材パテのNP-1((株)サメジマ)(成分は、無機質硬化材、無機質骨材、珪石、メチルセルロース、でんぷん糊)は、敏感な方には使用をお勧めしています。
このパテは、珪藻土だけでなく、その他の塗り壁材を塗るときに、石膏ボードの継ぎ目などの不陸調整に利用しますが、和紙クロスや自然素材クロスを貼るときにも利用できます。
また、自然素材シーラーES-1((株)サメジマ)(成分は、珪藻土、無機質骨材、軽量骨材、メチルセルロース、デンプン糊、セルロースファイバー) も同様に敏感な方たちに使用しています。
タナクリームとの相性ですが、私どもではだいぶ以前に新築時にタナクリームを使用したことがありますが、その時はまだ、自然素材シーラー、パテはありませんでしたので経験がありませんのでこの素材には不明です。
自然素材パテ及びシーラーの施工経験例としては、珪藻土、中霧島壁などでは、問題なく使用しています。

尚、経験ですが、クロスの裏紙を完全に石膏ボードから剥がす労力と施工手間は相当なもので、剥がしても石膏ボード自体を傷つけたりして、パテの作業も多くなりがちなので、ビニールクロスを健康な塗り壁にリフォームする場合は、ビニールクロスの上から、施工が出来、調湿機能と消臭、VOC分解、低減効果もあり健康的な空間を造れる、中霧島壁ライト((株)高千穂)等をを薦めています。
また、この壁材は、漆喰と同じように、多少の擦れには強く、珪藻土壁の中には少しの擦れにも弱く、粉末が落ちるものもありますが、堅さもあり弱いこすれならキズも付きにくいです。
中霧島壁又は中霧島壁ライトの工事費の目安は、こちらのホームページをご覧下さい。
「木の住まいを創る会」ホームページ・天然素材・「薩摩中霧島壁ライト」で、子供室(6帖)をリフォームした場合。

この方法は、ビニールクロスを剥がすことが無く、廃棄物の発生も少なくビニールクロスの処分も必要がありません。
既存のビニールクロスやクロス接着剤からの室内への揮発性有機化合物(VOC)の発生もありません。
この方法でリフォームを行うことが多いです。