実の美しさに加え、 マンリョウ(萬両)、センリョウ(千両)、 カラタチバナは百両、ヤブコウジは十両と言われ、 その縁起良さから、いづれもお正月の 縁起木とされてきました。今では、縁起の良い 植物として、お正月用の松竹梅の寄せ植えに 欠かせない存在となっています。 江戸時代には品種改良が盛んに行われ、 数重の品種が作られたそうです。 古くは、『万葉集』や『古今集』にも掲載され、 儀礼や武家の元服式が行われる際にも 用いられていたそうです。
寒紅梅は、早咲きが特徴。 12月は寒さに耐え、1月になると少しずつ 咲き出します。これが2月になると満開になり、 周囲に梅の香りを漂わせます。 正月用の松竹梅の寄せ植えとして よくつかわれる品種ですが、 この寒紅梅を切ってみると、太い幹から 小枝まで切断面は赤く、樹皮をむいた状態でも 幹肌が赤く見えます。
ボタンには多くの品種がありますが、 この内、秋から花芽が発達し、12月から1月に 花を咲かせ、再び春に花を咲かせるものを、 カンボタン(寒牡丹)と呼びます。 寒牡丹の系統の多くは、5月に咲く他の系統よりも、 花は小振りです。 雪の中で、藁ボッチに囲まれた寒牡丹は 風情があるので、江戸時代からの名所もあります。 一般に、春の早い蕾は摘み取ってしまいますが、 これによって、低温期の花の発達が良くなり、 冬の開花がより見事になるといわれています。
唐橘を含むヤブコウジの仲間は、いづれも背が 低く、秋から冬にかけて赤い実をつけます。 常緑の小低木で、葉は細長く、殆ど枝分かれ しません。他の2種に比べ、楚々とした 美しさがあります。 実は秋に熟し、鳥に食べられない限り、春まで 枝に残ります。 江戸時代から、多くの園芸品種が作られています。
早いものは12月には咲き始めますが、本格的に 開花するのは、1月に入ってからです。 開花すると、多くの人に好まれる芳香を漂わせ、 他の冬の花同様に開花時期が長いのが特徴です。 基本種のロウバイは、花の内側の花被片が小さく 暗紫色なのに対して、ソシンロウバイは内側の 花被片まで黄色いのが特徴です。
本種は中国産のマホニア・ロマリーフォリアと、 ヒイラギナンテンの交配種です。 葉は両親よりも大きく、冬でも青味がかった 濃緑色で、光沢があり、上向きに延びる独特の樹形が 見所です。また、30cm以上にもなる細長い花穂を 上向きに多数伸ばし、黄色い小花が蜜につきます。 花には芳香があり、春に熟す青灰色の実も魅力。 害虫被害も特にないため、手間のかからない花木です。